【書評】「日はまた昇る」ヘミングウェイ

Category : 街角よみもの日記

誰もが通る、幼年期。肉体的に子供である時期のこと、また精神的に子供である時期こと。もしくはその両方を指して、幼年期と表現したりします。

ヘミングウェイの不朽の名作、「日はまた昇る」は、ロスト・ジェネレーション(自堕落な世代)と表現されるある世代の若者たちを、生き生きと、また生々しく、そして血生臭く書き上げています。

禁酒法時代のアメリカで育ち、祖国への愛国心もないままそこを去り、彼らはパリでその日を生きています。

目的のないひがな一日。虚無感を感じつつも、混沌と秩序の入り乱れる世界で、目前の享楽に身を落とす。20世紀初頭を舞台にした小説でありながら、私はこれが21世紀を迎えた現代社会に生きる若者たち、我々となんら変わらないのではないかと感じました。

もちろん、生活をするために仕事もするし、明日のために勉強もする。身を立てるために対外的に行動もする。世界という社会の仕組みがかわっているから、行動も多少は違えど、気持ちのあり方はいつの時代の若者も同じなのかなと思いました。

希望、夢、目標。

すべての人が、それをもとに行動する社会なんて、そんな気持ちのわるいものはありません。心のどこかに、いくらかそのかけらがあるだけで、いい気がします。

さて、そのかけら。
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